GROM純正チェーンで15000km走行。チェーン交換のタイミングと判断基準は?

未分類

純正チェーンの評判が悪い

筆者のGROMは2013年モデルです。2018年に中古で購入時から一度もチェーン交換することなく、ODOメーターが15000kmを超えました。おそらく、新車時から一度も交換していない純正チェーンだと思われます。

15000km走行の写真

購入直後はチェーンをグリスアップして走行する度に、リンクやローラー部から赤さびを含んだ油脂分がにじみ出していましたが、しばらくするとそんなこともなくなりました。

中古購入1年ごろの写真が出てきました。このころにはもう赤錆は出なくなりました。購入店に点検に出した直後なのでピッカピカです。

件のチェーンですが伸びる・錆びるということで評判は悪いようです。D.I.Dのチェーンでもノンシール・メッキなしのため劣化が早く、5000 km持たないなんていう評判も聞きます。実際筆者も納車直後はこんなに錆びるようだと、伸びも早いのではないかと心配していました。

しかし、そんな心配も杞憂のまま、15000 kmを超えました。チェーン引きの位置はおおよそ中心です。これまで、歯飛びやチェーン落ちも経験なしです。

15000km現在のチェーンの引き代です。

チェーンの寿命の判断基準は?

さすがに製造から10年近いし、走行距離も15000 kmに到達しました。ところでチェーンの寿命の判断について調べてみると、簡単な目安としては以下のようです。

  • ノンシールチェーンなら5000 km、シールチェーンなら20000 km。
  • ドリブンスプロケットからチェーンが浮くようであれば伸びすぎ。
  • チェーン引きの調整代を使い切っているようだと伸びすぎ。
  • チェーンが歯飛びを起こすようだと伸びすぎ。
  • D.I.Dによれば5年経過で交換を推奨

安全にかかわる部品なので伸びすぎになる前に交換したいと思いますが、距離や時間基準はざっくりとした目安で、いまいち納得がいきません。ちなみに筆者のGROMのチェーンは距離と時間基準ならとっくに目安を超えてしまっています。

引っ張ってもほとんど動きません( 少しは浮きますけど、公差0の製品じゃないんだし、どのくらい浮けばいいのかわかりません)

もう少し詳しく調べてみた

D.I.Dによればチェーン引きを新品から1 cmほど引いたら、それは寿命だそうです。この1 cmという基準はチェーンの全長から1%伸びた量として実際の計算も含めて示しています。ただ、この辺りメーカーによっても判断基準が異なるようです。RKのサイトではノンシールで2.0%、シールチェーンで1.0%、EKのサイトでは伸び量でなく、距離を基準にしていてシールチェーンで15000~30000 km、ノンシールチェーンで5000 kmとしています。ただし工業用チェーンのwebページを見るとローラーチェーンの伸び限界値は1.5%と案内があります。今回は装着しているチェーンがD.I.Dなのでそちらに準拠します。

シールチェーンの使用限界は全長の約1%程度、520チェーンは1リンク=15.875mmなので仮に110リンクを使用した場合、15.875mmX110=1746.25mmがチェーンの全長となり、その1%=17.46mm伸びると使用限界となります。イメージ1
通常はわざわざ外して測定する事は出来ませんので、チェーンの引き代から見る事になるのですが、チェーン上側、下側となりますので、17.46mmの半分の8.73mm、チェーンのたるみなどを含めた誤差を考えると、新品の状態から約1cm程度引っ張った頃を交換の目安と考えてください。
https://www.webike.net/campaign/did_webike_vol2/

これなら、実際の伸びを定量的に管理できるので納得がいきます。では、この1 cmという目安はミニバイクであるGROMに適用できるのでしょうか。

GROMのチェーン全長は 1346mm =12.7(420サイズのチェーンピッチ)×106(純正リンク数) です。

1%の伸びは13.46 mmなのでその半分の6.7 mmがチェーンの引き代の許容値になります。1 cm引っ張ったところまで使うと、チェーンの伸びは 1.4%です。スプロケット径を計算に入れていませんが、確かに1 cmというのはちょうどよい目安になりそうです。

*追加 各社の引用元(D.I.D以外)

1%の根拠はどこに?

メーカーは変わりますが、チェーンメーカー最大手の椿本チエインの技術資料を読むと、

円滑なローラチェーン伝動を期待する場合 (略) 大スプロケット歯数60以下の伸びの使用限界は 1.5%

http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/tsubaki-drivech/book/tsubaki-drivech-P0199.pdf

と記載があります。あくまで、これは工場なんかの定期保守を行うエンジニア向けの資料なのと「円滑なローラーチェーン伝導を期待する」ということで何らかの異常がすぐに出る値ではないのではと予想します。また、さらに調べると大同工業も目安を示していました。そこでは焼結ブッシュローラーチェーンで1.0%との表記になっていました。スーパーダイハード処理(浸炭処理?)が焼結ブシュローラーチェーンに該当するかはわかりませんが、その場合は伸び限界は1.0%です。

https://www.did-daido.co.jp/jp/toiawase/faq.html#san_q5

ある特定の伸び量を超えると歯飛びを起こすなどの情報があればよかったのですが、さすがにその状態の情報を持っていても倫理的に公開しないのだなぁと勝手に筆者は想像します。ということで結論としては予防整備の意味も込めて、円滑な動力伝達のためには1%の伸びで交換する。ということにしておきます。

ちなみに工業用チェーンについて調べていて勉強になったのですが、印象的だったのはオイル潤滑を前提にしているということです。筆者はある頃から、グリス状の潤滑材を辞めて、液状の油脂(オイル)でのメンテナンスをしているのですが、少し自信が持てました。

筆者の15000km 走行チェーンは交換基準なのか

筆者は中古購入したことと、都度チェーン調整を行ってきたことで、チェーン引きの初期位置がわかりません。2013年型グロムの写真をいろいろとネットで調べましたが、アクスルボルトの位置はチェーンの引き代調整の中心より前側、中心よりやや前端よりのあたりに来ているようです。これを正として計算すると、もうそろそろ交換してもよい頃合いかと思います。

ホンダのプレスリリースから引用: https://www.honda.co.jp/news/2013/2130522-grom.html

ちなみにチェーンアジャスターは40 mm幅があります。アクスルシャフト径がφ12 mmだったと思うので38 mm調整できることになります。ここまで調べて1%目安を適用するとアクスルシャフト半分ずらした位置が交換時期の目安と考えてよいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました