寿命まで使い切ったのでレビュー
約4年かけて15000 kmを走行して寿命を迎えた。その後エンジェルスクーターに履き替えて、同サイズでも違いを感じたのでレビューを残しておく。GROMのタイヤレビューはほとんどが、Vee RuberとTT93GP (PRO)なので、誰かの参考になればなお幸い。
摩耗限界に達したのはリア。フロントはまだ4分溝くらいは残っていたと思う。新品時の写真を探したけど、あいにく母艦のimacさんが不調でデータが引き出せない。使用1年ごろの写真があったがこんな感じ。あとは、Bridgestoneの写真から見るとこんな感じ。溝は結構深かった記憶がある。
最初の印象
バトラックスSCの前は400 ccのバイクにメッツラーのロードテック01とロードテックZ8mインタラクトを履かせていた。バトラックスSCは12インチへの乗換だったこともあってUターンやカーブ、ヘアピンをグイグイ回れた。とにかくグイグイ、クルクルと良く旋回できるタイヤだった。
ハンドリング
筆者はたまに人のいない場所を探して8の字旋回の練習をする。といってもジムカーナ屋ではない。運転技量維持のためである。グロムでフルロックなんてできないし、ステップも擦らない。たまにブーツのつま先が地面と触れる程度の練習をする。練習後にタイヤを見てもエッジ部は接地した形跡はなく、交換するまでアマリングはばっちり残っていた。(空気圧を140 kPa程度まで落としてもエッジは使えなかった。それ以上空気圧を落とすとどんハンドリング、バイクの反応が悪くなる。)このタイヤは尖り気味のプロファイルなんだと思う。体重移動やハンドル操作は意識することなく、目線を向けるだけで、バイクの方向が変わる。セルフステアを意識してハンドルに入力しないようにしているとグイグイハンドルは切れていくし、バイクも曲がっていく。セルフステアばかりを意識するような運転操作だったと思う。
グリップ性能
グリップは筆者には十分でスリップダウンすることは無かった。正確には砂浜で1度、砂利の上で1度こけているが、それは低速ごけで別次元の話だと思う。8の字旋回の練習中に切り返す際にハンドルを抑えてしまい、フロントが滑ったことがある。ダダッダダッ、とグリップとスリップを繰り返す感じで車体が暴れるけれど、コケることは無かった。ゴムのコンパウンドは筆者には十分な摩擦特性だったと思う。ただ、雨の日のカーブのマンホールの上でリアが僅かに横滑りするなど、最悪の状況ではさすがに滑る。雨のカーブでもアスファルトの上ならアクセルを開けていっても滑ったことはない。ウェットでもちゃんとグリップするタイヤだと思う。他は急ブレーキでリアロックしたときも滑ったけどフロントが滑ったことは無い。ジャックナイフのようになる。あとは荒れた路面では少しリアが跳ねる。例えば下り坂のカーブなんかではリアが少し跳ねることもあったけど、その時フロントのしっかり感がすごくてフロントからグイグイ曲がれた。なので怖いと思うことはほとんどなかった。
ほとんど、いうのはフロントがたまに道路の縦溝にハンドルを取られるから。フロントタイヤのセンターの縦溝はレーシングタイヤのレインタイヤにもある。だからきっと重要な役割があるのだろうけど、道路の縦溝の影響を受ける。最初は怖かったが、レールに乗ったように完全に従うわけでもないし、ハンドルの入力やちょっとの体重移動で溝を超えられる。少しフラフラするだけだと気づいた。なので慣れてきたころには少し慎重に運転するくらいだった。もちろんリアタイヤは影響を受けない。あと〇溝はハンドルは取られないけど、跳ねる。
剛性、摩耗性
12インチタイヤだったので段差の乗り越えは気を使った。道路から店舗に入る際の段差が大きいところではフロントから結構な衝撃が来る。何度かリムをぶつけたんじゃないか?と思ったこともあったけど、タイヤが破損したり、ホイールが変形したりしたことは無いからタイヤ剛性は十分あるのだと思う。
寿命は先述の通り、4年、15000 kmほどだった。雨の日(台風の日も!)、晴れの日、夏、冬、山、海、ガレた酷道、流れのはやい主要国道などあちこち行ったが、パンクは最後までなかった。摩耗はリアタイヤが先行するようで、11000 kmを超えたあたりからは意識的に曲げていかないといけないこともあったし、リーンの挙動と向き変えの関係も一定でなくなって唐突に感じることもあった。トレッドがそれだけ分厚いということだと思う。
総じてスポーティーなタイヤだったと思う。4年も使うとひび割れなどもあったので、おいしく使うなら、寿命はもう少し短くなると思う。特に不満などはなかった。筆者程度の穏やかな運転では過剰性能かもしれないが、雨や低温でもちゃんと安全運転できたので良い選択肢だったと思う。
コメント