GROMに取り付けたエコオイルチェンジャーSX JET (B109SX)はとても便利
先日、ドレンボルトをドレンコックに交換しました。その後2回オイル交換をしましたので利便性をレビューします。
まず、オイル交換するだけなら、コックをひねるだけなので手や、オイルパンが汚れません。ドレンホール周りにオイルが付かず、吐出口からきれいにオイルが出ます。通常ドレンボルトでのんびり排出を待っていたら、エンジン下面がオイルまみれになっていた。とか、エンジン下面を伝って廃オイル受けの外にオイルが落ちてたなんてことにはなりません。オイル排出後の清掃だけならキッチンペーパー1枚あれば十分です。
手も汚れないし、オイルを入れるときに多めに入れても排出すれば大丈夫という安心感もあります(幸いまだオイルを入れすぎたことはありません)。稼働部品や部品点数が増えていますが、オイルにじみなどもなく、またコック勝手に開くということも起きていません。筆者は最近走行距離が伸び気味なので大変助かります。
【検証】オイル全部抜けているのか
装着してから気になっていたのですが、オイルが正規の量全部抜けているのか気になっています。ドレンコックの雄ネジがドレンパンの底面より上に出ているようだと、ドレンボルト方式より、オイルが抜けにくい(入替率が悪い)ということになります。そこでオイルを排出した後に一度エコオイルチェンジャーを取り外してみました。
検証の際には車体を水平に起こして(反対側に倒れないように支えをつけておきました)エコオイルチェンジャーからオイルを排出ました。その後、排出が止まったところでエコオイルチェンジャーを取り外しました。その際、オイルが出てくるようであれば、入替率が低下している、出てこなければ大差ないと判断することにします。
結果、エコオイルチェンジャーを取り外してもオイルは出てきませんでした。エコオイルチェンジャー取付による、オイル交換時の交換量の変化は無さそうです。
取り外したついでに小改善を実施
エコオイルチェンジャーの取付向きですが、真後ろにはダイスの切ってある台座があり、吐出口を後ろ向きには取り付けられません。ドレンボルトの保護リブがあるので前向きも不可能です。横向きで一番取り付けやすい向きに着けると、吐出口がマフラーの真上になってしまいます。マフラーの反対向きに吐出口が来るように取り付けようとすると、今度はエンジンとジェネレーターカバーを締結するネジのリブがドレンコックとクリアランスがほぼありません(ちょっと当たってる?くらい)。そこで再組付けの際にぶ厚いドレンワッシャーを用意しておきました。
KIJIMAのドレンワッシャーで厚みが3.0 mmあります(トライアンフ用です)。エコオイルチェンジャーの付属のドレンパッキンはオイルパンとの干渉対策に付属しているのですが、厚みが1.5mmしかなく厚み不足です。今回より厚い(2枚分)ワッシャーに付け替えることで、エコオイルチェンジャーの取付自由度があがるのと、ドレンパン内部に入りこむボルトの先端位置が下がるのでよりオイルがより多く抜けるようになるというのが狙いです。
ただ、M14用のワッシャーなので純正パッキンより若干隙間が多くなります。エコオイルチェンジャーのO-ring全体をカバーできていることを確認したのでオイル漏れは発生しないだろうと取り付けました。
見事、エンジンのリブを避けて取り付けることができました。取付位置は車体に対して真横に取り付けたかったのですが、締め付けの際に、エコオイルチェンジャーが供回りしてしまい斜めに取りつきました。パッキンのつぶれる感触があったので再度調整はしないことにしました。ネジのかかり代が1周分減っているので、雌ネジ側の負担も大きくなっているのでそっとしておきます。
交換から数日間はドレンコックを何度か確認しましたが、幸いオイル漏れもありません、
底面全体を観察してもオイルにじみはなさそうです。大き目の鏡があると便利です。
そもそもオイルパンの厚みは?
今回うまく写真が撮れたのでネジの山数を数えてみました。写真から6山確認できます。ネジピッチは1.5 mmなので雌ネジ部の長さは9mmということになります。
一方で取付するエコオイルチェンジャーのネジの有効かかり代は写真から6山確認できます(O-ringの関係で少し浮いていますが)なのでオイルパン内部ではオイルパンの底面とエコオイルチェンジャーの排出口がツライチになっていると予測します。
*新品購入時の各部寸法計測の結果から算出すると、エコオイルチェンジャーのネジの有効かかり代はワッシャー無しで9.6 mmでした。3 mmのワッシャーを使えば6.6mmになります(つぶれ代は考慮せずに)。できる範囲で多少の改善になったと思います。
【補足】オイル排出の際、どこかにオイルが滞留している
今回、エコオイルチェンジャーの取付で十分オイルが抜けるかを検証しましたが、条件としてはバイクを垂直に立てて、オイルを自然落下させるだけというマイルドな条件です。(暖気とフィラーキャップは開栓は行っています。)
実際には自然落下後に車体を右に傾けてしばらく待ってから、反対の左に傾けるとオイルが排出されます。繰り返し6~8回くらい行ってやっと出てこなくなります。エンジン内の流路やオイルパン形状の影響だと思いますが、左右にゆすって出てくる量のほうが、ドレンコックのネジ長さの影響よりもよっぽど多いと思いました。空冷で1.1Lしかオイルの入っていないエンジンなので、なるべく多く抜いてから補充したいのが筆者の心理です。そうやってバイクを左右に傾けながらオイルを排出するのであれば、エコオイルチェンジャーはエンジン底面を汚さないのでより有用だと思いました。
【補足2】 オイルを排出したところで固形物の排出は大丈夫なのか
新品のエンジンなどであれば初期のころはガスケットやエンジンの摩耗粉、切削加工時の切子が出てくることもあるようです。エコオイルチェンジャーSXの流路で一番細いところは実測4.55 mm、 恐らくφ5 mmです。納車直後やカスタムエンジン、何らかの異常発生後はこの流路よりも大きい異物は排出されないのでエコオイルチェンジャーごと取り外した方が無難だと思いました。筆者のエンジンはノーマルですでに何度もエンジンオイル交換しているので杞憂だと思います。もしこの失敗忘備録を参考にされる方がいたら気にされた方が良いかもしれません。
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