燃料添加剤AZ社FCR-062の計量 バイクへの投入量を道具なしで簡単に

AZのFCR-062をお試し購入してみました

お試し品は安いうえに、ネットで買えてポスト投函なので本当に試しやすいです

筆者はケミカル用品が好きです。オイルとか、添加剤とか潤滑材とかです。化学そのもののお話も好きなのでダブルミーニングでもあります。

サンデーメカニックやDIYの味方のAZ社のページを見ていると燃料添加剤のお試し価格品を見つけたので購入しました。GROMや自動車に使ってみようと企んでのことです。ちなみに何か不調が起きたとかではなくて、単純に試してみたい。予防整備にとの目的です。

バイクに投入するには計量しないといけない

お試し品は100 ml入りです。燃料に対する添加量は0.3vol%以下が指定されています。ということは100 mlあれば燃料33L分相当です。筆者のGROMはタンク容量が5.5 L(レベルプレートの上まで入れれば5.8L入ります)のでお試し品とはいえ、1本は多すぎます。5.5 Lに0.3 vol%の添加ですので16.5 mL以下が添加量になります。筆者はメスシリンダーなど持っていませんし、格安で購入した添加剤のためにわざわざ軽量容器を買う気も起きませんので、今持っているもので計量することにしました。

筆者の保有測定器

  • ノギス(モノタロウ製、校正していないし、JIS認証なし)
  • キッチンスケール(TANITA製、最小分解能0.5g、)

以上を使って、今後道具なしでの計量ができるようにします。狙いは、容器のキャップで何杯入れればよい、との手法にするつもりです。

単純にキャップの内径×深さで体積が求まりますが、実際にはキャップにはネジが切ってあります。加えて、スクリューキャップが若干テーパーになっているようです。そのあたりの曖昧さを含めておおよそのキャップ内容積を約3.5 mLと求めました。グロムであれば4.7杯ということになります。実際にはキャップに注いた分を全部タンクに移せないことや、キャップのすり切りまで計量できないことから5杯入れることにしました。

一応、検証として5杯分の重量計測を行いました。重量計測の際の前提に密度情報が必要なので自分なりに調べてFCR-062の密度を0.95 g/cm3として計算することにします。5杯で17.5 gになる計算です。

空き瓶に入れて計量しました。

重量を測定したところ、17.5 gになりました。概算値を推定値で検証するというとんでもなく間違った手法ですが、この方法で投入することにします。今回の検証でキャップに残る量が少ないか、キャップの容積が大きいことが推察できます(前提が崩壊)。

GROMに投入とエンジン始動

ジャムの空き瓶を使ったのですが、グロムの給油口にぴったりです。逆さにしてしばらく待って落としきりました。

計量した燃料添加剤をGROMに全量投入しました(ガソリン満タンです)。その後エンジンを始動し、走ってみました。始動性、走行フィーリングに変化は感じ取れませんでした。特に不調はありません。

燃料添加剤の効果

オイル交換や、チョイ乗りの頻度、季節の変化などいろんな要因があると思うのですが、燃費に変化ありました。それまでの直近3回の燃費が46.7, 47,5, 48.1 km/Lだったのですが、3回連続で投入したところ、50.3, 55.6, 58.3 km/Lと改善しました。

ただ、この変化の仕方を見ると、季節要因の方が大きいような気がしますね。それに、遠乗りすると60 km/L近いのですが、通勤にだけ使っていると50 km/L以下だったりします。添加の前後3回の運転条件が同じではない(少し生活に変化がありましたので)燃料添加剤で燃費が向上する!と因果関係として結びつけることはしないでおきます。

燃費以外の変化としては、筆者のフィーリングくらいしか表せるものがありませんが、前述の通り、始動性、走行フィーリングに変化はありませんでした。マフラーの排気口が汚れやすいかなと注意してみていましたが、顕著な変化はありませんでした。

推奨添加量以上の量を入れるとどうなるか

わざわざメーカー推奨の方法を逸脱するなんて、なんともばかげた話ですが、実験してみました。

GROMのエンプティランプが点いた状態(残量1.45L)でFCR-062を17.5 gをタンクに投入しました。仮にカブってしまってエンジン不調になっても、自宅から最寄りのGSまでが下り坂なので問題なくたどり着けるし、そこで満タン給油すれば推奨量の添加量になります。これなら実験してみても大丈夫だろうということです。

FCR-062の添加量は1.1 vol/%なのでメーカーの推奨最大値の3.6倍の濃度です。やってはいけないレベルをだいぶ超えています。

実際にはエンジンは問題なく始動しました。その後1分ほどアイドリング、スロットルを多少開け閉めするなどして様子を見ても不調は感じられません。行動に出てGSまでの下り坂でも不調はなく、さらにその先にある遠方のGSまで走りました。結局不調も好調も感じることができませんでした(さすがにその後速やかに満タン給油しました)。メーカーがマージンを取っているのか、HONDAのエンジンがすごいのかわかりませんが貴重な体験と実験をしました。燃料添加剤を過剰に投入して、燃料系統の樹脂やゴムの劣化リスクを負っても特に劇的な改善が得られないというのが筆者なりの結論です。

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